毎年2月の風物詩!歴史と風情漂う片浦集落にて南さつまの"奇祭”開催!!
~お伊勢講祭りの始まり~ 鹿児島県南さつま市笠沙町片浦~
片浦は過去に、享年2年、天保14年、昭和19年と大火災があり、古文書や古い記録が灰燼に帰しているので、いつの時代から始まったのか、定かではありませんが、古老のヒト達から聞いた次のことが事実に近いと言い伝えられているようである。
昔の人は、一生に一度はお伊勢参りをすることができたら本人はもとより、家の誉れとして子々孫々に語り伝えるほどに名誉なことだとして、お伊勢参りを念願としていた。しかし、海山何百海里隔てた「薩摩」の国片浦からお参りすることは容易ではなかった。
そこで、村人たちは、講を起こしこれをお伊勢講と称し、その講を落とした人がその講で得たお金を持って、(旅費)代表者を送っていたが、この方法にもいろいろ困難があったので、お伊勢様の御神霊を迎えて祭るようになり代参の風習はなくなった。
お伊勢様をおまつりした当初は、現在と異なり毎年お伊勢様をお守りする家を決めて一年間、その家でお守りをしていたと言うことであります。又、天保14年7月6日の夜、片浦に大火があり集落のほとんどを焼失し、僅かに2~3軒が焼け残ったと語り伝えられているが、その焼け残った1軒の家にお伊勢様が宿されていたそうで、これは、お伊勢様の御神威によって火事を免れたのだと言うことで、それ以来、お伊勢様の御宿が山手に決まったときは、必ず何か異変があるに違いないそんな年には特に火の用心に集落全体が努めたと言い伝えられている。その後、何時の頃よりか、長途の参官の労苦を忍ぶために御神殿を担いで行列をするようになったのが、お伊勢講祭りの起こりだとされている。
この祭りが何時ごろから始まったか定かではないが、2月11日お伊勢様の御神輿が出る、数え年15歳のニセ(青年)たちを中心に、若者たちが女装をし、いろんな面をかぶりナギナタ、ヤリ、刀などを振り御神輿の先払いをしながら「オイヤナ、オイヤナ」と練り歩くのである。
ニセ(青年)たちが女装をして面を被っているのは、お伊勢様は女神であられるので神のお心にさわらないようにとの心遣いであり、ナギナタやヤリ、刀は長途の旅に御神殿を守るためのものである。
又、行列の際の「オイヤナ、オイヤナ」と掛け声をかけるがその意味は判らない。(一説によると、お伊勢講という参官目的の信仰集団を結成し、お伊勢参りの旅費(講銭)を集めて歩いた、そのときの挨拶の言葉が「オイヤッナ」(いらっしゃいますか)であり、「オイヤッナラ、お賽銭をタモハンカ」と貰って回ったので、行列を始めると誰ともなく、「オイヤナ、オイヤナ」の掛け声になったともいわれている)
「備考」
現在お伊勢様は公民館で管理されているが、昔は、集落役員を評議委員と呼びその委員がくじを引きその評議委員各家々を一年ごとに宿されていましたが、神様に不敬になることが多く管理を断るようになり、現在に至っている。
基本情報
開催日 | 2024年2月11日土曜日 |
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開催時間 | 行列開始15:00~ |
開催場所 | 鹿児島県南さつま市笠沙町片浦(片浦公民館・漁港周辺) |
駐車場 | 片浦漁港周辺 |
お問い合わせ | 南さつま市役所笠沙支所 |