南さつま市加世田は、薩摩藩の外城(とじょう)として栄え、100年以上前の郷士の民家が今でも残っています。
明治時代以降の加世田の繁栄を示す建築群や規模の大きな民家、近代和風の住宅、そして下見板貼りの洋風医院建築など、
築50年以上の建築が100棟前後現存しています。 水路沿いに、石垣やイヌマキ、武家門の美しい街並みを見ることができます。
鹿児島の街並みといえば、江戸時代以前の知覧や出水の武家屋敷群が有名ですが、加世田には明治維新後の文化遺産が多数残されており、
これまであまり意識されてこなかった鹿児島の近代史を語り継ぐ景観が佇んでいます。
日本遺産について
「日本遺産(Japan Heritage)」は地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定するものです。
鹿児島県と県内の9市にのこる95の文化財で構成された『薩摩の武士が生きた町~武家屋敷群麓を歩く~』は、令和元年(2019年)に日本遺産に認定されました。そのうち、当市の加世田麓も構成文化財のひとつです。
重要伝統的建造物群保存地区について
昭和50年の文化財保護法の改正によって伝統的建造物群保存地区の制度が発足し,城下町,宿場町,門前町など全国各地に残る歴史的な集落・町並みの保存が図られるようになりました。2019年12月23日現在,重要伝統的建造物群保存地区は,100市町村で120地区(合計面積約3,960.2ha)あり,約29,000件の伝統的建造物及び環境物件が特定され保護されています。
2019年12月に加世田麓は、「近世の武家住宅やその形式を引き継ぐ主屋をはじめ,益山用水とそこに架かる石橋,敷地を画する石垣や生垣,腕木門などとともに,地形を巧みに活かして形成された麓の独特な歴史的風致をよく伝えており,我が国にとって価値が高い。」と評価され、文化庁より重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。
竹田神社・いにしへの道
竹田神社は、戦国時代に活躍した島津氏中興の祖「島津忠良(日新公)」を祭る神社です。
7月23日の夏祭りでは県指定文化財の「士踊り」「水車からくり」が奉納され、イヌマキの並木「いにしへの道」には47首のいろは歌の歌碑が点在しています。
現在、緑深い小道「いにしへの道」は市民の憩いの場となっています。
別府城跡
別府城は、別府城は加世田城とも呼ばれ、1177年に別府忠明によって築かれました。
現在は市街地となり、石碑が建てられているのみで遺構は残っていません。石碑が建てられている尼ヶ城公園の東側には別府忠明を奉った別府神社もございます。
旧鯵坂正一郎邸
鯵坂正一郎邸は明治36年頃、旧川崎邸の敷地に加世田小学校の校長だった鯵坂正一郎が建てた和風建築で、現在は登録有形文化財になっています。
江戸の武家屋敷に比べて規模が大きく、一体にして 50畳の大広間となっていたようです。また、母屋の中には、橋口五葉のふすま絵(花木図・花鳥図・山水図)四点10枚があり、現在は鹿児島市美術館に寄託されています。
poturi(ポツリ)
鯵坂正一郎の実弟の鯵坂茂彦が、昭和初年に建てた旧鯵坂医院(登録有形文化財)を改装し、現在はギャラリーカフェになっています。
レトロな外観が目を引くオシャレなカフェです。店内には素敵な雑貨や器も展示していています。ぜひ立ち寄ってみてくださいね♪
街並みギャラリー
交通・駐車場
お車でお越しの場合
竹田神社に無料の駐車スペースがございます。
バスでお越しの場合
竹田神社近くにバス停がございます。